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有限会社 下村畜産 下村 知士さん、下村 篤さん

  • 有限会社 下村畜産 下村 知士さん、下村 篤さん
  • 愛知県のブランド牛「みかわ牛」を生産する認定生産者だ。
    現在三代目となる下村畜産では、約1,000頭もの愛知県産黒毛和牛を保有。
    繁殖から肥育までを行う牧場を兄の知士さんが、精肉部を弟の篤さんが管理する。
    繁殖から肥育まで行うのも、より肉質の良い牛を育てるため。最新機器を駆使しながらも結局は"経験"がものを言う。
  • 母牛の保有数も現在約150頭と繁殖では県下一位を誇る。下村畜産が繁殖に力を入れ始めたのは、6年程前。
    ほとんどの畜産農家が繁殖と肥育を分けているが、下村畜産ではより肉質の良い牛を育てるために、知士さんが畜産大国宮崎県で家畜人工授精師の資格を取得。
    一貫した管理のもとで繁殖から肥育まで行うことに。
    畜産家にとって理想は1年1産。雌牛は10ヵ月で最初の種付けが行われ、通常生涯で10~12頭の子牛を生むという。何棟も建つ牛舎の中には、妊娠中の牛や母牛、生後間もない子牛の棟があり、分娩もここで行われる。
    足元に万歩計をつけている牛について尋ねると「発情すると歩数が上がるんです」と知士さん。
    種付けのベストなタイミングを逃さないために、雌牛の発情をスマーとフォンへとリモートで知らせる監視システムを駆使しながら種付けを行うとか。分娩の時は事故も起きやすいため、妊娠中から体重管理に目を配り、餌の食べ方や様子などを観察しながら助産までを行うと言う。
  • 現在下村畜産にいる牛は約1,000頭。彼らが食べる餌の量は稲ワラと配合飼料を合わせて一日で相当なものになるが、特に飼料に関しては母牛や子牛、出荷間近の牛など、牛の状態に合わせて配合を変え11種類の餌を毎回手作りで用意する。「人間だって炊き立てのご飯は美味しいでしょ。それと同じです」と知士さんは笑う。
    下村畜産のスタッフは現在12名。1,000頭もの牛をこれだけの人数でカバーしている。「うちは生産効率の良い働き方とか、仕事が早い人、というのを求めてないんです。」
  • 何よりも"牛が優先"という姿勢を語る。
    手をかけて丁寧に育てられた下村畜産の肉は"国産黒毛和牛A5等級"として、有名百貨店や専門店で高値で扱われることが多い。
    「ありがたいことですが、値段が高くなると、限られた人にしか食べてもらえないからあまり本意ではないんです。だから、できるだけ多くの人に食べてもらえるよう直販もしています」と知士さん。
    ここにも、自らの利益よりも"良い肉"を知らしめることを優先させる姿勢があった。
  • 「はっきりとしたマニュアルがないんです。
    個体数の数だけやり方があるから、毎日が勉強です」と、祖父、父と受け継がれてきた真摯な姿勢。牛を捕まえる時には怪我もあるという篤さんは「900㎏近くもあるから、恐怖感はあります。
    でもきちんと向き合わないと。僕らが今あるのは何千頭もの牛たちの命のおかげなんです。だから、必死で取り上げ、必死で育て、必死で屠畜する。そんな毎日だから、肉を食べ残している人を見るとちょっと辛いです」。
    知士さんも「私たちは生業として牛を育てているわけだから、途中で死ぬことがないようにするのは当たり前。
  • だからこそ、ちゃんと良い肉にすることで彼らの命を全うさせなけれならないし、それが命を扱うことを生業としているものの務めだと思うんです」と語る。
    石黒さんとの出会いで「自分たちの想像をはるかに超えた味。
    良い意味で裏切られました(笑)」と語る三河牛のせんべい。
    「これからもさらに美味しい肉の食べ方を提案できるよう勉強していきます。」